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生体分子の科学Ⅱ

NO 71
科目名 生体分子の科学Ⅱ
対象 歯学部 歯学科 3セメスター
担当教員 髙橋信博・鷲尾純平(歯学研究科・口腔生化学分野)
受講人数 52人
授業内容 口腔生化学に関する講義および実習
授業形態 例年本科目は、全ての講義項目終了後に、実習項目を行ってきた。そのため、4月冒頭より開始した講義項目においては、動画受信環境がまだ十分ではない学生に配慮し、リアルタイム配信は行わず、オンデマンド配信方式で行った。あらかじめ提示した配信スケジュールに沿い、講義配信日の数日前に講義受講の際の注意事項と講義資料、講義配信日に講義動画および提出課題を配信した。提出課題は、講義内容のまとめとそれに基づく考察のレポートとすることで、学生に動画視聴及び自主学習を促し、また、その提出をもって講義出席とみなした。
実習項目は講義終了後の6月後半から開始した。この時期には学生側の受信環境が整っていたことから、オンデマンド(実習動画)、リアルタイム(レポート解説とディスカッション)、および対面実習(実験器具使用体験等)を組み合わせる形で行った。実習項目の動画は、実習目的、実習内容の説明に加え、使用器具の詳細な使用方法や、実際に実験をしている映像を組み込んだ構成とし、NHKのEテレのように実習の臨場感を感じてもらえるよう工夫した。講義項目と同様に、実習スケジュールに沿って動画をオンデマンド配信したが、その際、実習書とバーチャル実験データを同時配信し、それを基に実習レポートを作成してもらった。約10日後をレポート提出締め切りとし、締め切り翌日に、Google meetを用いたリアルタイム配信により、レポート内容の解説を適宜学生と討論しながら行い、本来実習を通じて学び取ることが期待される知識の獲得をサポートした。レポート提出とリアルタイム授業への出席をもって実習出席とみなした。
また、BCPレベルが1となった後、対面式の実習日(各学生1回)を設けた。動画内で使用した実験機器展示、実験機器使用体験、また写真で提示していた試料の実物観察等を行ってもらい、理解を深めてもらった。なお対面実習は、3密を避けるため、学生を複数のグループに分け、あらかじめ登校時間を分けて行った。
使用LMS 4月初旬はISTUを使用したが、その後、より安定なGoogle Classroom(及びGoogle Meet)に移行。
評価方法 試験はGoogle classroomを活用し、オンライン試験を行った。教科書・ノート等の閲覧を可とし、完全論述形式の試験を行った。提出時の通信トラブル発生などを考慮し、提出締め切りまでの時間は、例年の試験時間よりも長め(4時間)に設定した。また、試験中の質問手段としてgoogle meetを設定し、リアルタイムに質問できる状況を常備した。どうしてもPCを用いた解答文書作成や、classroomを経由した提出が難しい学生には、手書きのものを撮影しメール経由で提出することを許可した。なお、出席日数については、前述の通り、講義レポートおよび実習レポートの提出、およびリアルタイム授業への出席により算定した。
工夫した点
前述の「授業形態」や「評価方法」欄にもすでに記載したものもあるが、それ以外に工夫した点を下記に挙げる。
・課題提出・質問などの窓口として、専用のメールアドレスを1つ設定し、学生と教員間の窓口を常時開き続けた。学生からも連絡先が一定になることでわかりやすかったとの意見をもらった。また、このメールアドレスを教員内で共有することで、教員間での情報共有も容易となった。
・課題提出を確認した際に、学生に毎回受け取り確認の返信を送り、学生側に教員側とのつながりを意識してもらえるよう努めた。
・動画は、音声だけではなく、教員が話している映像も入れて作成した。こちらについても学生としては通常の講義に近い感覚を得られるので、音声のみのものよりも良かったという意見をもらった。
・講義資料を動画配信の数日前に配信する方式を採用した。動画配信時に手元に既に講義資料が合ったほうがやりやすいと考えた上での工夫点であり、資料を印刷して講義に臨みたい学生には好評であった。
反省すべき点
・実習後の52名の学生を対象としたリアルタイム配信授業については、学生側の回線の状況で音声が途切れることがあった。今後の検討が必要と思われた。
・今回は、社会状況的にも新たな設備や機器の準備が間に合わなかったため、既存の設備を用いて動画撮影・編集を行ったが、撮影場所、撮影機器の制限から、動画内の画像や音声が一部見えにくかったり、聞き取りにくくかったりした事例もあった。これについても、今後の課題と捉えている。
その他気が付いたこと
・オンデマンド講義については、自分のペースで講義を聴くことができる、繰り返し講義を聴くことで理解が深まる、資料への書き込みが容易、復習が容易など、ポジティブな意見が見られた。
・Google meetを用いたリアルタイム配信中、多人数の反応を同時に得ることが難しく、その点についてはもう一工夫が必要と感じた。配信中にリアルタイムでアンケート集計するようなシステムを合わせて使用するなど、多くの学生が常に参加している意識を持てるような工夫ができればと考えている。

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