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口腔修復学Ⅱ(クラウンブリッジ補綴学)

NO 69
科目名 口腔修復学Ⅱ(クラウンブリッジ補綴学)
対象 歯学部 歯学科 7・8セメスター
担当教員 勝田悠介、奥山弥生、大川博子、石橋 実、原田章生、山田将博、江草 宏(歯学研究科 分子・再生歯科補綴学分野)
受講人数 54人
授業内容 クラウンブリッジ補綴学の治療術式を診療の手順に沿い、講義やPBLおよび実習を通して学ぶ。
授業形態
・オンライン講義:Google Meetを使用しリアルタイムで実施。オンデマンド配信は原則行わなかった。授業資料は事前にアップロードし予習を促した。
・PBL:5~6名の少人数班ごとにGoogle Meetのルームを作成し、その中でディスカッションを行う。Meetもしくはメールにより質問を受け付け、リアルタイムで回答した。プレゼンテーションを作成し、全体向けに発表を行わせた。
・オンライン実習:Google Meetを使用しリアルタイムで実施。事前配布した実習書を基に進行。まず実習手順をスライドで説明。その後実際の手技を動画で供覧、同時に解説を加えながら実習内容を紹介した。いずれも対面実習が行えるようになった際に、学生自身でできるようイメージして受講するよう指導した。

実際の手技を動画で示しながら説明する勝田助教

・対面実習:BCPレベル1となった7月に4回行うことができた。対面実習にあたっては、学内のガイドラインや文部科学省のマニュアルを参考に、「BCPレベル1における対面実習マニュアル」を策定し、感染防止策を徹底した上で実施した。学生全体を半数の2班に分け、別室で2系統の実習を同時に進行した。
使用LMS Google Classroom
評価方法
・出欠確認(オンライン時):Meet参加者確認アプリを併用し、確認した。届け出無き欠席はほぼなかった。やむを得ない理由で欠席の場合には不利益が生じないよう、講義中のMeet録画を見せ、個別対応した。
・小テスト:授業開始前および終了直後にリアルタイムでGoogle Formsを使用し多肢選択式の小テストを行った。
・試験:本科目では8セメスター終了後に一括で実施するので、前期終了時では行っていない。
工夫した点
・オンライン実習において一部の単元では、対面実習の環境に近づけるように、学生を少人数班に分け、それぞれの班にインストラクターを配置した。全体向けの講義では学生の反応がわかりにくく、質問するのも難しいことへの対応として実施した。学生からは少人数の方が集中しやすい、質問しやすい、など好意的な意見が多く寄せられた。しかし教員側の負担が甚大であり、全てで実施することは現実的でなかった。
・授業の最後には小テストの解説を行った。その後にも質問を受け付け、次回授業時に回答した。複数回疑問点を回収する機会を与えたことで、理解の向上につながったと考える。
反省すべき点
・本科目は双方向性を重視してリアルタイム実施を原則としたが、オンデマンド形式を望む声も多少あった。オンデマンドの方が時間の制約がないことや繰り返し視聴できるなど利便性が高いことは承知しているが、学生の反応や理解度のフィードバックが難しい。リアルタイム実施でも反応を得られ方は十分ではないと感じた。オンライン授業にはある程度限界があり、それを前提とした授業づくりが大事であると考えさせられた。
・できるだけ平時と変わらない授業内容の提供を試み様々なことを実施したが、教員側の負担が増加した。
・オンライン授業のためにマイクやカメラなども含めた設備や安定した通信環境を用意できない学生への対応が必要であった。いずれも個別にきめ細かな対応が必要となり、この点でも教員側の負担が大きくなってしまった。
その他気が付いたこと
・講義の収録環境などハード面と、LMSの使い方などソフト面の双方で習熟しなければならず、少なからず苦労した。学内のオンライン授業ガイドは熟読し、大変お世話になった。これからの時代は各教員に求められるスキルとなることが予想される。
・リアルタイムでの質問は少なかったが、授業後に質問受付フォームを設置したところ、平時よりもはるかに多くの質問が寄せられた。講義中には質問しにくいことや、数日おいて復習してからの方が質問点に気づきやすいのかもしれない。今後対面授業が再開されてもGoogle Classroomは活用していきたい。
・PBLでの学生同士のやりとりはスムーズに行えている様子だった。
・歯学部の臨床系科目は技術習得のために、対面授業での実習実施が必須である。今期は限られた実習時間の中で内容が限定せざるを得なかった。しかし例年に比べ学生の理解度は高いようで、実習進行も早かった。事前に実施したこれらオンライン授業での取り組みが非常に効果的だったと考えられる。

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