科目名 | (科目外の講演会)4月期修了生オフィスアワー特別編:「勉強会」の始め方 |
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対象 | 法学研究科総合法制専攻(法科大学院) |
担当教員 | 得津晶(法学研究科・法科大学院副院長)、赤石圭裕氏(修了生弁護士)、都築直哉氏(修了生弁護士)、松村幸亮氏(修了生弁護士)、丸崎潤也氏(修了生弁護士) |
受講人数 | 72名(うち原級留置者〔新入生ではない者〕14名、実参加者人60名弱) |
授業内容 | 参加任意のイベントとして、新入生を、最大でも5~6人を1グループとするグループに分けて、修了生弁護士に依頼して、刑法(未修者)・基幹刑法(既修者)の2回目の授業の予習を素材に、法科大学院での予習・復習の勉強の仕方のほか、一般的な法律の勉強方法(特に未修者)、勉強会の開催方法を学んでもらい、ひいては、学生間のネットワーキングに寄与する。 |
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授業形態 |
・修了生弁護士は大学アカウントを有していないため、受講生の中から予め代表者を指定し、zoomの主催者となってミーティングを開き、そこに修了生の講師を含めた参加者が参加する。
・刑法(未修)・基幹刑法(既修)の1回目の授業と2回目の授業との間に開催し、2回目の授業のための予習が終わった段階を想定して、きちんと予習できているか、どういう予習が必要なのかを中心に、そのほか、復習の仕方や法律学の勉強の仕方一般について少人数ならではの特性を生かして学生から質問しやすい雰囲気の中で教授する。
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使用LMS | zoom |
評価方法 | なし(成績評価のなされる教育機会ではない) |
工夫した点 |
・法科大学院においてもっとも効果的な勉強法は、学生同士の「勉強会」であるといわれており(松本恒雄「日本の法科大学院制度と新司法試験及び予備試験の現状と展望」一橋法学12巻1号〔2013〕27頁、中田裕康ほか「座談会・平成の法学教育」法律時報91巻9号〔2019〕85頁、そのほか若手修了生の活用について88頁)、東北大学法科大学院でも学生同士の勉強会を促進し、その1つとして、従来、未修者新入生を対象に修了生弁護士に依頼して少人数での勉強会を実施してきた。2020年4月はオンラインのみの教育となり、勉強会の重要性を理解している既修者コースの新入生にとっても、勉強会を開催するきっかけとなるような人間関係がないことに鑑み、本年度は、従来の未修者新入生のみならず、既修者コースの新入生に対しても、修了生弁護士による少人数の勉強会を実施することとした。
・少人数であるため、複数の修了生弁護士が学生にカメラオンにすることを依頼したため、意思疎通がうまくいった。
・人間関係の構築していない段階で「勉強会」を開始するための人間関係の素地を作るためのイベントとして法科大学院は協力した。
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反省すべき点 |
・Zoomのアカウントの関係で、どうしても学生にzoomミーティングの主催者になっていただく必要があり、法科大学院側から主催学生を指名(主催学生が参加希望でない場合は次点も指名)したにもかかわらず、専門職大学院たる法科大学院にはお客様気分でいらっしゃっている新入生も多く、また、人間関係も希薄な中で、なかなか動きだせない様子であった。確かにリーダーシップをとるのがどうしても苦手な学生はおり(しかしながら、将来法曹になるのであればこの程度の企画力は必須であるのだが)、一度も対面のないまま完全にオンラインで、各学生の適性もわからないまま、実施するのは非常に難しかった。修了生弁護士にzoomアカウントを付与するか、ミーティングルームのみはアカウントのある教員が主催すればよかった(しかし、同一時間に複数の勉強会が開催されており、一名の教員=1つのアカウントのみでは処理しきれない)
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その他気が付いたこと |
・フィードバックを実施した結果、勉強の仕方、予習の仕方といったコンテンツ(教授された教育内容の評価)はかなり好評だったようである。
・フィードバックによれば、未修者学生の(回答学生の)全員が前期の間にオンライン勉強会を実施した、既修者学生も約半数がオンライン勉強会を実施したと回答しており、本企画の3つの目標(勉強する雰囲気・環境づくり、勉強会の開催方法の習得、学生間のネットワーキング)のうち、前2者は達成できたものと思われる。
・しかしながら、フィードバックでは、本企画によって、学生間のネットワークが構築できたとは評価されていない。その意味で、本企画の3つの目標(勉強する雰囲気・環境づくり、勉強会の開催方法の習得、学生間のネットワーキング)の1つは達成できなかったが、本イベントとは別の企画である「新入生と在学生のZoomミーティング」がこの点を補え、相補性ある企画ができたものと考えている。
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