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(科目外の講演会)新入生と在学生のZoomミーティング

NO 48
科目名 (科目外の講演会)新入生と在学生のZoomミーティング
対象 法学研究科総合法制専攻(法科大学院)
担当教員 得津晶(法学研究科・法科大学院副院長)
受講人数 38人
授業内容 新入生が学習をスタートするために大事な4月期に参加任意のイベントとして、法科大学院の勉強に不安を感じている新入生に対し、在学生有志が法科大学院での勉強法、授業の受け方、司法試験に向けた準備などの勉強会のみならず、仙台での生活等、教員や事務には聞きにくいことを含めてインフォーマルな情報提供を行う。
授業形態
・在学生の代表者がzoomの主催者となり(開催日の4月24日はac.jpアカウントであれば有料アカウントでなくとも複数人とのzoomミーティングに時間制限のない特別措置があった)、新入生まずは全員が参加し、副院長挨拶のほか、在学生が全体的な説明を行う。
・その後、在学生5名がそれぞれ1つずつzoomのミーティングルームを主催し、予め新入生を5つのグループに割り振って、少人数での相談会を実施。
使用LMS zoom
評価方法 なし
工夫した点
・法科大学院においてもっとも効果的な勉強法は、学生同士の「勉強会」であるといわれており(松本恒雄「日本の法科大学院制度と新司法試験及び予備試験の現状と展望」一橋法学12巻1号〔2013〕27頁、中田裕康ほか「座談会・平成の法学教育」法律時報91巻9号〔2019〕85頁)、東北大学法科大学院でも、学生同士の勉強会を促進してきたところ、2020年4月にはオンラインのみの教育となったことから、まだ人間関係の構築していない新入生にとって「勉強会」を開始するための人間関係の素地を作るためのイベントとして法科大学院は協力した。
・在学生のイニシアチブで企画された教育イベントではあるものの、既に連絡手段の確立している在学生ではなく、正規授業に関する情報提供すら苦戦している新入生に対する連絡手段が確立できなかったため、教員が関与し、法科大学院生が最も利用するLMSであるTKC(法科大学院独自のLMS)での告知のほか、学生向けのSlackのグループ(しかし、その後、利用頻度は高くなかった)を作成して告知を行うなどした。
・4月24日という前期授業開始直後に実施したものであり、かつ学生が主催でもあったため、利用が簡単なZoomでの主催となった。当時のZoomは教育機関アカウント(ac.jp)保持者であれば、学生であっても、無料アカウントで時間制限なく利用することができたことのほか、Zoomの利用法について法科大学院が4月上旬の段階でマニュアルを作成、配布していたことにもよる。
・情報交換を促進するため、教員は、開始直後の挨拶・情報提供後、退室し、運営は、学生に完全に委ねた。
反省すべき点
・特になし。任意のイベントとしたことで不都合を回避しつつ、情報提供を十分に行い、学生間の関係の形成に寄与できたと思われる。
その他気が付いたこと
・東北大学のBCPレベル2以上では学生の課外活動が「全面禁止」と記載されている。これはオンラインでの学生同士の交流は当然禁止していないつもりであろうが、授業や学内会議については、オンラインで実施する場合は「オンライン」とされていることとの対比からは、課外活動はオンラインも禁止と解釈されてしまう。特に、完全に私的な交流であれば、オンラインで実施しているような学生であっても、本イベントのようなややオフィシャルに近い学生イベントの主催となると、「全面禁止」というのがかなり制約になっているように思った。その後、自主ゼミ等へのオンライン新入生歓迎活動を促進するように大学は方針を示したため、BCPの課外活動全面禁止というのはあくまで「対面式・参集式」についてのものであることが明らかになったが、それは5月以降のことであり、4月期の新入生にとって新たな教育環境・生活環境への情報が最も重要な時期に学生(特にまじめな学生)を混乱させるような記述は大いに反省されるべき事柄である。なぜ、課外活動については「オンラインのもののみ」と書けなかったのだろうか。
・本イベントによって学生間の交流はかなり深まった。本イベントは学生が中心となったイベントであるため、雰囲気を害さないようにフィードバックを実施しなかったが、後述の別企画「4月期修了生オフィスアワー特別編:『勉強会』の始め方」のフィードバック調査では、未修者学生の(回答学生の)全員が前期の間にオンライン勉強会を実施した、既修者学生も約半数がオンライン勉強会を実施したと回答し、しかも、上記別企画によって学生間のネットワークが広まったとは評価されていないことを考えると、その要因は、平常時の授業のほか、本イベントが大いに寄与したものと考えられる。
・これと比して、学部が実施した学生間のネットワーキング構築のための企画(ピア・サポーターなど)は、いずれも運用開始が5月半ば以降と、授業=学習がはじまってから一定程度経ってから提供されるものであって、時機を失していたように思う。

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