オンライン授業グッドプラクティス

  • HOME
  • 電磁気学基礎論

電磁気学基礎論

NO 39
科目名 電磁気学基礎論
対象 工学部 電気情報物理工学科 3セメスター
担当教員 津田 理(工学研究科)
受講人数 85人
シラバス→
授業内容 ベクトル界やスカラー界の概念、真空中の静電界および静磁界を求める方法、ガウスの法則およびアンペアの周回積分の法則からマクスウェルの方程式の積分形と微分形を求める過程、平面電磁波の基礎など、電磁気学の基礎を学ぶ。
授業形態
・講義前に講義資料(PowerPointスライド)をGoogle Classroomに掲載
・Google Meetを使って教科書と講義資料の内容をリアルタイムで説明
・40分程度説明した後に5分程度休憩し、講義終了5分前くらいまで説明
・講義終了5分前くらいに説明を終え、その日の講義内容の理解度を確認するた
めの「確認テスト」をGoogle Formにて実施
使用LMS Google Classroom
評価方法
・オンラインテストの結果により評価
工夫した点
・最初の講義までに他大学のオンライン講義の状況について調査したところ、以下のような情報が得られたため、リアルタイムでの講義を選択した。
・講義後に講義動画を確認できるオンデマンド式を希望する学生が多い。
・しかし、実際には、他講義への対応もあり、2回以上見るケースは少ない。
⇒通常の講義時間以外で動画を見る場合は、その時間を確保する必要があるが、他講義もあるので、講義が多い場合は、時間の確保が容易でないことが多い。
⇒次々に行われるオンライン講義の対応に追われ、それぞれを消化することで精一杯となるため、2回以上見る余裕が無い。
⇒ながら勉強になったり、飛ばしながら聞いたりすることも多くなる。
・オンデマンド方式の場合は、いつでも何度でも見れると思うためか安心感があるが、緊張感がなく、結果として、集中して動画を見ない傾向がある。
・講義に集中してもらうために、講義内容を確認するための「確認テスト」を講義最後に実施
⇒結果分析より、講義内容を理解できている学生が多いことことを確認
・オンライン試験を以下の方法で実施
・通信環境、聴講時に使用する機器(デスクトップ・ノート・携帯など)や映像・音声出力の可否についてアンケートを実施し、学生の状況を把握
⇒ほとんどがノートPCを使用しており、通信環境や映像出力に問題はなかったが、デスクトップPCを使用している学生は、全員映像出力が不可であった。これらの学生には、携帯での映像出力を依頼したが、特に問題なくオンライン試験を実施できた。
・オンライン試験時の解答用紙の提出方法を検証するために、講義後の「確認テスト」で自分のノートに解答を書かせ、テスト時と同じようにスキャンor写メしてClassroomより提出させた。
⇒ほとんどの学生が写メしたものを提出していた。提出前に解読可能かの確認をするようにと念押しをしたためか、解読が難しいものは無かった。
・オンライン試験時の解答用紙提出の練習も兼ね、テスト時の本人確認を行うための学生証のスキャンor写メしたものを、最初の中間テスト前にClassroomより提出させた。
⇒オンライン試験時の本人確認は、試験開始前にMeet上で実施
⇒試験当日の本人確認をスムースに行うため、各部屋における受験者の学生証の画像をまとめたものを事前に作成し、各試験監督に配布
・受験者の映像出力を確認しやすくするため、また、出来る限り他の学生に部屋の様子を見られないようにするため(∵Meetには背景を隠す機能がない)1部屋5~6名とした(最大17部屋=17個のMeetアドレスを設定)。
⇒部屋の様子を見られたくない場合は、試験実施場所やwebカメラの位置・方向について事前に検討しておくように学生に指示
・各学生には、事前に、試験会場用Meetアドレスをメールで連絡した。
・試験監督は3名で対応した(1人5~7部屋を担当)。
・女子学生だけの部屋を用意し、試験監督は研究室内の女子学生に依頼した。
・開始時刻に試験問題をClassroomに掲載し、音声により試験開始を伝えた。
・質問など不明な場合の連絡にはチャットを使用した。
⇒チャットを使用したのは、遅れて受験した学生への対応、試験問題に関する質問があったときなどで、使用頻度は多くなかった。
・公平性と公正性を確保するために、教科書と講義資料は持ち込み可とした。
・通信回線が重くなることを少しでも回避するため、学生には映像のみ出力するよう指示し、試験監督者は映像出力をOFFとした。
・試験中、各試験会場にすぐにアクセスできるように、受験者と各試験会場のMeetアドレスを記載した一覧表を用意した。
・試験終了を音声で伝え、解答用紙の提出が終わるまで、映像出力を継続するよう指示した。
⇒全学生が適切に対応していることを確認
⇒ほとんどの学生の解答用紙提出に要した時間は約10~15分(通信回線が重く、20~25分要した学生が数名いた)
⇒全解答用紙を提出し終わった者から適宜退出するよう指示
・試験監督者間の連絡用のMeetアドレスを別途用意し、試験中の監督者間の連絡をスムースに行えるようにした。
・Classroomの課題(解答用紙)を提出するページの更新状況と学生の映像出力を比較しながら、学生の解答用紙提出状況を確認した。
反省すべき点
・講義に関する質問をチャットやメールで受け付けていたが、実際に質問があった件数は少なく、より気軽に質問できる環境を整える必要がある。
・実際には時間的に余裕が無く対応できなかったが、学生の予習のことを考えると、講義資料をもう少し早期に掲載できるようにする必要がある。
その他気が付いたこと
・Classroomを介して色々な対応を学生に依頼したが、こちらで想定していたようなトラブルはほとんど無く、想像以上に学生の対応力が高いと感じた。
・同講義は全員必修で受講人数が多いため4コースに分けられており、4人の教員で対応しているが、オンライン講義の場合は、講義室の収容人数の制約が無いため、物理的には1人の教員で対応(講義)可能である。
⇒複数の教員で対応している科目は他にもあるため、講義担当者を1人決めて対応すれば、教員全体の負荷軽減が可能
・上記のように、リアルタイムよりもオンデマンドの方がよいという学生は多いが、学生にとって都合がよい方法と、学生が集中してしっかり勉強する方法は必ずしも等しくないため、学生が望んでいる方法を推奨することが必ずしもよいこととは限らない。このため、それぞれの学習効果を精査し、今後どのような方法で実施するのがよいかの検討が必要である。

<< 前のページに戻る