オンライン授業グッドプラクティス

  • HOME
  • 臨床医学講義(放射線診断学教室担当分)

臨床医学講義(放射線診断学教室担当分)

NO 26
科目名 臨床医学講義(放射線診断学教室担当分)
対象 医学部医学科4年生
担当教員 高瀬圭、麦倉俊司、清治和将、冨永循哉、村田隆紀、高浪健太郎、梅津篤司、北見昌広、佐藤嘉尚、青木英和(以上、放射線診断学教室)、江原茂(東北医科薬科大学)
受講人数 138人
授業内容 臨床放射線医学総論として画像診断に関連する基礎的事項を教授すると共に、循環器、呼吸器など様々な分野における画像診断の要諦を解説する。
授業形態 学年全体を一括対象とする通常の座学講義(全てリアルタイム配信講義)
使用LMS
評価方法 当教室担当分は、講義中に行う出席テストの点数により評価する。
工夫した点
・新型コロナウィルス感染拡大防止における行動指針により、4/1より医学部4年生の臨床医学講義(座学講義)は中止になり、4/20より内容・時間割はそのままオンライン配信による講義が再開された。
・4年生臨床医学講義において当教室が学生に求めていることは、講義に出席して内容を理解してもらうことであり、それを通じて画像診断学に関心を持ってもらうことである。WEB体制でもその目標を達成できるよう、講義前の資料配布、および講義後の出席テストの実施により、学生に講義を受講する動機付けを促した。
*事前資料配布は、講義スライドの抜粋(ハンドアウト)をPDF形式に保存し、グループウェアにアップロードした。一部の資料は動画も活用した。紙での配布に比べ、ネット上などに流出してしまう心配や著作権への配慮など、懸念材料が多いと感じた。全学的な明確な指針の提示やサポート体制などが必要と思われる。
*オンタイムで配信する講義はgoogle meetを利用した。東北大IDでログインする必要があるなど、外部講師が遠隔地より配信するにはハードルが高いように思われ、改善策が必要と感じた。
・マイクはノートPC内蔵のものでも概ね問題無いが、より聞き取りやすい音声を提供するよう、USB接続のハンドマイクやヘッドセットを使用した。
・パワーポイントでのプレゼンテーション中、ポインタの操作にはタイムラグが生じ、音声とずれてしまうことが多かった。スライド表示用のPCの隣にモニター用のディスプレイを置き、講師には学生側でどう見えているかを確認しながら講義してもらうようにした。ポインタをゆっくり動かしたり、間を開けて話したりの対応が必要であった。ペン機能も適宜使用し、重要な部分を丸で囲みながら解説したところ、分かりやすいと学生から好評であった。
・講義内容は、基本的には講義室にて行う予定であったものと同一とした。ただし、ネットトラブルや上記のように間を開けてゆっくり話すことなどにより講義の進行が遅れる可能性を考慮し、例年より分量を若干減らすよう各講師に依頼した。
*把握している範囲において、当教室の臨床医学講義中にネットトラブルにて配信が途切れた事例は承知していない。しかし、別の学年で少人数へのレクチャーをWEBで行ったときに、学内無線LAN(eduroam)の不調により15分ほど中断してしまった事があった。少なくとも発信する側には、安定したネット環境が用意されるべきである。
・画像診断学の講義は画像の中の細かい部分に着目してもらう必要がある。そのため、講義室のプロジェクター画面を遠くから見るよりも、各自のディスプレイで見る方が見やすい・理解しやすいという学生からの感想があった。
・一部の講義では、講義中にミニクイズを行い、学生がgoogle formで投票した集計結果をリアルタイムに表示するなど、双方向性を意識した工夫を行った。
*一部の講義で事前収録による配信を試行した。動画作成はパワーポイントのリハーサル機能を利用し、問題無く作成可能であった。動画はgoogle driveの共有機能により学生にアクセスさせたが、本格的な運用にはISTUの方が望ましいのかもしれない。学生は自分の都合で一時停止したり、出席テストに関連する部分などを見返したりするため、視聴終了が遅れがちであった。また、一部の学生は事前収録であることに気付かず、視聴開始が遅れた者もいたようであった。タイトな時間割の中で視聴させる場合には対策が必要と感じた。google classroomなどを用いた事前アナウンスが有効かもしれない。
・出席テストは当教室では従来より問題用紙配布にて行っていた。WEBではテストの問題文は講義スライド中に表示し、解答はgoogle formから入力する形式で行った。解答結果はエクセルファイル形式で出力されるため、採点作業の著しい省力化が可能であった。毎回数名の学生から送信できているかどうかの確認や訂正依頼などのメールが届き、1人1人に細かく対応した。
・出席テストは講義直後に行うため、講義内容を理解できているかどうかの確認を主眼に置き、講義に即した比較的平易な難易度とした。
・折に触れてアンケートを行い、学生からの感想・意見を訊いた。率直な意見を書いてくれる学生が多く、気付きを得られることが少なくなかった。
・以上、1つ1つの工夫は些細なものであるが、学生に積極的に講義に参加・聴講してもらえるようにとの方針に基づいた取り組みの積み重ねが、学生からの評価につながったのであればうれしく思う。
反省すべき点
その他気が付いたこと
・今回当教室でオンライン授業を行った上で感じた問題点は、上記箇条書きの内「*」印を付けた部分で述べており、以下に再掲する。
*事前資料配布において、ネット上などに流出してしまう心配や著作権への配慮などへの対応
*外部の講師が遠隔地よりオンタイムで講義を配信する場合のサポート
*発信する側への安定したネット環境の提供
*講義を事前収録で配信する場合、学生に時間内に視聴させるための対策

リアルタイム集計アシスタントの森助教と共にオンライン講義配信中

高瀬教授、オンラインで画像解剖を熱く語る

<< 前のページに戻る