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基礎ゼミ:大学での学びのいろは

NO 22
科目名 基礎ゼミ:大学での学びのいろは
対象 全学部
担当教員 中村教博・縣拓充・佐藤智子・中川学・松河秀哉・山内保典・渡邉文枝(高度教養教育・学生支援機構)
受講人数 2400人程度
授業内容 学び方を学ぶためのアカデミック・スキルの習得.学術研究の在り方とそれに携わる者の心構えをつくる.(詳細は、最下部の「参考」)
http://www2.he.tohoku.ac.jp/center/keiji/info/200414k-1.pdf
授業形態 講義ごとに、(1)イントロダクション動画(講義ポイントや学習の進め方を説明)、(2)関連資料、(3)ミッション(講義内容確認テスト)の3つをClassroomに掲載。別途、単元終了時(5回)と授業全体終了時(1回)に振り返り課題を課す。各授業のミッションの提出期限は、授業公開後1週間。振り返り課題は、各単元最後の授業公開後3週間。
使用LMS Google Classroom
評価方法 講義ごとのミッション(14回)と、単元及び授業全体の振り返り課題(6回)を各回50点満点で自動採点(自由記述は悪質な回答を「回答の検証」と目視でチェック)。合計2000点満点のうち1200点(6割)を獲得し、かつ、課題提出が8割(16回以上)で合格。課題の提出期限内であれば、課題の再提出は可能とした。実施時の受講生の監視は行わない。
工夫した点
・チーム・ティーチングを採用し、(1)教育内容の質保証(各教員が専門に近い内容の教材を作成し、授業内容や課題の相互チェックする体制)と、(2)授業運営基盤の安定化(技術的助言やTA管理等を行う教員の参画)を図った。
・既存の資料(オンライン教材や動画)の新規発掘と活用を積極的に進め、コンテンツ作成をイントロダクションのみにした。教員の省力化や多様な知の導入を図りつつ、イントロダクションでは教員の独自性を発揮するとともに、学生に向けた学修支援を行った。
・受講人数が2400人と非常に多いために当初は予定していなかったが、TAの助力も得て、試行的に一部の課題(自由記述回答)につき全受講生(期日までに提出された回答のみ)へのフィードバックを行った。
・学生の有志を募り、学生間の交流の場としても活用した。
・新入生のほぼ全員にアクセス可能だったため、新入生へのアンケート調査を5月初旬に実施し、彼らの生活やネットワーク環境に関する動向を把握した。
反省すべき点
・各単元に割り振る時間数と、成績評価時期も含めた授業スケジュール全体の見直しが必要。変則開講への対応も要検討。
・ほぼすべての新入生にアクセスできるという利点をもっと生かすべき。
・Googleクラスルームに重複して登録した学生、あるいは履修しているのに不登録の学生がいた事への対応。こうした状態が生じないような対策の必要性。
その他気が付いたこと
・Googleクラスルームの上限は、教員も含めて最大1000人。「採点」機能は読み込みに時間がかかり、途中で落ちて使えない。別途、表計算ソフトで成績を管理する必要。
・上限1000名のため、3クラスを同時並行で進める必要があり、人為的な設定ミスのリスクが高い。1つのミスが2300倍になって返ってくるため、2300人の中から該当者を探す手間も含め、問い合わせ対応の負担が大きい。
・問い合わせはML宛てにするように伝えたが、「限定公開コメント」が利用された。
・レポートの書き方についての内容は第6回の授業で扱ったが、他の授業ですでにレポート課題が出されていたようで「もっと早く授業でやってほしかった」という感想があった。
(参考)各回の授業内容 第1回/ガイダンス:「大学での学びについての基礎的な素養」を会得するという授業目的、授業の概要と受講の方法、評価基準の説明。加え、新入生アンケート調査を、高度教養教育・学生支援機の構教育評価分析センター(CIR)と連携して実施。
第2回-第6回/単元「大学で学ぶための基礎」
・第2回:挑戦と創造に求められる思考としてデザイン思考を紹介。
・第3回:問題発見のスキルについて紹介。そのスキルを伸ばしていく上でのアートの有効性についても扱った。
・第4回:創造的思考スキルを紹介し、それぞれの学生が出したアイデアを相互に参照・コメントをする試みも実施。
・第5回:調べる・議論するスキルを紹介。SNSやフェイクニュースなど、現代的なテーマも扱った。
・第6回:『東北大学レポート指南書』に準拠しつつ、論理的に書くスキルを紹介。質問の多かったレポートにふさわしい表現のテストやレポートへのフィードバックも実施。
第7回-第8回/単元「大学」
・第7回:東北大学の歴史について、動画とミニ講義を実施。
・第8回:キャンパスと各学部の歴史について、動画とミニ講義を実施。短歌やキャッチフレーズを作成するなど、レポート課題に工夫をした。
第9回-第10回/単元「専門」
・第9回:各自の専門分野と題して、所属学部の分野別参照基準を読み、自身の専門分野について学んだ。
・第10回:専門分野とその周辺と題して、自身の所属学部以外で興味のある学問分野の分野別参照基準の要約を読み、専門との関連性を考察した。
第11回-第12回/単元「倫理」
・第11回:研究場面における倫理的行動について、アカデミック・インテグリティを紹介し、オンライン教材「The Lab」でロールプレイをした。
・第12回:企業における倫理的行動について、セブンステップガイドを紹介し、オンライン教材「ソーラーブラインド」でロールプレイした。
第13回-第14回/単元「科学技術と社会」
・第13回:トランスサイエンスやテクノロジー・アセスメントに関するミニ講義と、東日本大震災に関して、東北大学「白熱教室」の動画を視聴。
・第14回:MITのモラルマシンなどを通して、自動運転車の倫理的判断について検討。振り返り課題では、SDGsと専門との関連性を考えた。

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