科目名 | 外国書講読(英) |
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対象 | 経済学部 2・3・4年生 |
担当教員 | 古谷 豊(経済学研究科) |
受講人数 | 137人 |
授業内容 | 英語文献の講読を通して,アダム・スミス『国富論』の時代の経済学が,どのようにグレートブリテンの政治と宗教から強い影響を受けていたのかを学ぶ。 |
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授業形態 | リアルタイムのオンライン授業(Google Meetを使用) |
使用LMS | Google Classroom |
評価方法 | 小課題14回+最終レポート |
工夫した点 |
オンラインの授業を、生徒たちがなるべく教室の授業のような臨場感をもって履修できることを目指して、以下のような工夫をした。
・【生徒とのコミュニケーション手段】:学期が始まった頃は、生徒たちも緊張していて、授業中に生徒がマイクをオンにして、他の百人以上の生徒にも聞こえるなかで意見をいうというのは、とてもハードルが高そうだった。そこでGoogle
Meetでも「いいね!」マークのようなものを入力できる拡張機能(Nod.という、Chromeブラウザの拡張機能)をインストールしてもらったところ、「今のところ分かったかな?」「次に進めるよ」「見えるかな?」といったコミュニケーションが、スムーズに成立した。
ひとたび、生徒が授業中に意思表示をすることが普通になると、Meetのコメント機能にも書き込んでくれるようになり、さらに学期の後半にもなると、授業の要所要所で「〇〇さん、この個所はどうしてこう訳したの?」と訊ねて、生徒がマイクをオンにして答える、というやりとりが自然にできるようになった。 ・【グループワーク】:毎週、授業の最初の10分間を、予習課題についてのグループワークの時間とした。わずかな時間にすぎないが、生徒たちにとっては他の生徒たちとのつながりを感じる機会、他の生徒からいい刺激を受ける機会となったようで、最後のレポートでも多くの生徒がグループワークについて感想を書いていた。「この講義は全学生参加型だった点がとても楽しかった。オンラインという制約の中でも、主体性を持って授業に参加でき、他の学生と互いに評価し合って刺激をもらうこともできた」など。
・【ペン入力で板書のように】:ペン入力ができるノートPCで、教材に書き込みをしながら授業することで、教室での板書のような効果を狙った。ペン入力ができるノートPC(Surface
Proや2 in 1タイプのノート)以外にも、液晶ペンタブレット(ワコムCintiqなど)でも同じようなことができるが、私の場合は、ペンを使った文字入力と、指を使ったスクロールやピンチ・ズームがシームレスにできるという点で、ペン入力対応ノートPCが使いやすかった。
(他方で、液晶ペンタブレットを経済学部で上手に使っていた例としては、植松良公先生の「統計学入門」(約300人履修)がある。植松さんは教材スライドを、文字や図が入ったページと真っ白のままのページとを交互に入れて作成。それを22インチの液晶ペンタブレットで、2ページずつ表示させながらGoogle Meetで授業をした。すると左のページは文字や図、右のページは真っ白なので、左のページを解説しつつ、右のページにペンで数式を書いていくことができる。22インチと画面が大きいので、ピンチ・ズームをする必要がなく、液晶ペンタブレットでも教えやすかったとのことである。) 私の場合、ソフトウェアはマイクロソフトのOneNoteが、非常に柔軟な使い方ができて便利だった。パワーポイントスライドやPDF資料などをOneNoteのページで表示することができるので、様々な教材を授業のなかでスムーズに、次から次へと示すことができ、そのうえそれらにペン入力することができる(8月から大学全体でMicrosoft Office 365が使えるようになったので、後期の授業はOneNoteのClass Notebookを作成することができ、OneNoteの使い勝手がさらによくなる)。 |
反省すべき点 | ・授業を録画してアップロードするなど、履修生が授業内容を復習するための手段を、もっと提供してもよかったかもしれない。私は、教室での授業と同じように、生徒が授業中にノートを一生懸命とることを前提にして授業していたのだが、学期が終わった後に、何名かの生徒に話を聞くと、オンライン授業ではなかなか教室の授業のようにはノートをとる余裕がない、という趣旨の声があった。
・授業を難しいと感じているグループの声を、もっと拾い上げられるよう、アンケートや小テストなどで工夫すべきだった。オンライン授業では「理解できました」という声は拾いやすいが、「理解できていません」という声は拾いにくかった。
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その他気が付いたこと | ・生徒が非常に協力的で、教室での授業以上に、生徒の協力が授業運営に役立った。
・教室での授業に比べて、授業の進め方やねらいについて、あらかじめ丁寧に説明することが大切だと感じた。 |