オンライン授業グッドプラクティス

計算機学

NO 32
科目名 計算機学
対象 工学部 電気情報物理工学科 3セメスター
担当教員 大林武(情報科学研究科)
受講人数 68人
シラバス→
授業内容 デジタル情報の変換器である計算機の仕組みを、論理回路、関数合成、機械語等の観点から学ぶ。
授業形態 講義各回を次のように構成した。
§導入用のオンデマンド動画(約50分、YouTube)
§教科の自習と理解確認のための課題(140字の教科書要約と小テスト。提出までの期限は6日)
§短時間小テスト(15分間、講義終盤のみ実施)
§課題解説、教科書補足のためのリアルタイム講義(約30分、Google Meet)
使用LMS Google Classroom
評価方法
・毎講義の課題(教科書要約、小テスト、短時間小テスト)とリアルタイム講義の出席点により成績評価を行った。
・小テストはGoogle Classroomの課題機能を用いてPDFで提示し、同機能で収集、採点を行った。基本的な問題が4問程度。
・短時間小テストは、リアルタイム講義直前に15分間実施した。内容はやや発展的な問題が1問。短時間小テスト実施の前日に、対象範囲(教科書の章番号)を周知した。
・教科書の要約課題は、Google Formで収集し、ダウンロード後に採点を行った。
・出席点は、複数のデバイスを用いて接続する受講生もいることに注意しながら、入退室記録に基づき点数化した。
工夫した点
・使用している教科書は、詳細に踏み込んで書かれているため、そのままでは自習に向かない。そのため、オンデマンド動画では、教科書を読み始める敷居を下げる狙いで、分かりやすいストーリーを意識した。逆にリアルタイム講義では落穂拾い的な解説を行い、簡潔なオンデマンド動画と難解な教科書のギャップを埋めることを試みた。
・受験生が提出した要約課題のサマリーを行うなど、受講生のアクティビティを還元することで、見えない隣の受講生を意識できるようにした。
・動画の作成は、MacOS QuickTime Playerを用いてスライドごとに収録し、収録後にファイル結合機能で一つのファイルにした。スムーズに説明できなかったスライドはすぐに収録し直すことで、各スライドの説明は十分にスムーズになる(逆にスライドの間の繋がりが悪くなる欠点はある)。
・講義に使用したオンデマンド動画は、講義期間終了後にYouTubeで一般公開した。
反省すべき点
・昨年まで板書で講義を行なっていたこともあり、オンデマンド動画用のスライドの作成に苦労した。オンデマンド動画では、受講者は必要に応じて繰り返し視聴できるため、説明自体を繰り返す必要はなく、学習の高密度化を達成できる。ただ、最短の言い回しで適切な説明を行うのは難しく、実際の動画には相当な改善の余地がある。
・Google Classroomの課題の返却機能を活用できなかった。課題をオンタイムで返却することは、受講生のモチベーションの維持に繋がるのだが、動画作成に時間がかかり、課題のオンタイムの返却に至らなかった(返却するならば全員分の採点が必要だが、解説だけなら一部で良い)。
その他気が付いたこと
・リアルタイム講義において、共有した画面が音声よりも大幅に遅延することがあり難儀した。
・オンデマンド動画は上手く説明することを目指すと負担が大きいが(うまく説明できないスライドでは、繰り返して収録することになる)、部分的にでも取り入れることで講義の密度を上げることができ、結果として講義全体の質が向上したと感じている。

<< 前のページに戻る